インプラントは決して虫歯になりませんが、お手入れを必要としないとは誰も言っていません。
小さな損傷を放置すると全体が傷んでくることもありますし食べかすを放置すれば歯茎が細菌感染して歯周病を引き起こすこともあるのです。
インプラント以外の自分の歯と同じように歯科医に指示されたブラシなどがあればそれも使い、毎日のセルフケアを怠らないことが大切です。
そして、歯科医に指示された間隔で専門的なメンテナンスを受けてください。インプラント治療には隠れたメリットがあります。仮歯が入れば、義歯だと気づかれることはたぶんないでしょう。見た目からしても、自分の歯のようにとってつけた感じにならず、インプラントだとカミングアウトしなければいかにも義歯だと思われることはいちいち考えなくて良くなります。費用や期間より、見た目重視の方にとってこの治療方法を選ぶべきでしょう。
インプラント治療を検討している方、大事なのは自分にとって最良の歯科医を見つけられるかどうかです。
インプラント埋入などの技術に優れているかどうかはもちろん、どのような検査を行って、検査の結果をどう見るか、手術後のアフターケアはどうかなどで歯科医がどのような技量を持っているかで決定的な違いが出てくると考えられます。
この治療は、歯科医の技量が、治療成績を大きく左右する治療法だということを理解してください。手に入る限りのデータを集めて、歯科医を決めることが治療全体の大きな部分を占めます。インプラント治療にある程度の実績がある歯科医院で、外来診療を受けての普通のインプラント治療の中でも、院内感染の可能性は否定できません。
いくつかの候補の中から歯科医院を決めると思いますが、その医院の感染症対策についての取り組みを知っておくことが重要事項の一つになります。
院内感染防止の対策をホームページ内で述べている歯科医院も確実に増加していますので、そこで調べるのも良いでしょう。
皆さんが気にしているインプラントの耐久性は、長期間の使用例が少ないため定説になっていませんが、歯科医の指導に従い、メンテナンスを欠かさなければ自分の歯と同じくらい保つというケースが増えています。とすれば、普段のメンテナンス次第で長期にわたって維持できますが、他の自分の歯と同じように、ケアが行き届かなければ取り返しのつかない事態が起こってしまうということを肝に銘じておくべきです。
失った歯を再生する治療は何種類もありますが、インプラント治療の問題点は失敗したとき、やり直しはほとんどあり得ないという点です。
義歯の中でも、入れ歯やブリッジと違い、人工歯根とあごの骨は、周辺組織で完全に結びつかなくてはならないので万が一、人工歯根があごの骨に定着せず骨とインプラントがしっかり結びつかなければ、再度、大がかりな手術を行っていったん削ったところをさらに深く掘ることになるのです。また、あごの骨を掘ってインプラントを埋入するため、埋入部分周辺の神経損傷というリスクもあるのです。典型的なインプラント治療は、3つの段階に分けられます。まずは人工歯根をあごの骨に埋め込みます。あごの骨の中に人工歯根がしっかり定着するのを待ち、それからアタッチメントという連結部分をはめ込み、義歯をつける、という流れは皆さん変わりません。
時間を要するのは、人工歯根の周りに組織ができて骨にしっかり定着するまでで約2ヶ月から6ヶ月見ておかなければなりません。インプラント治療の開始から、本格的な義歯を入れるまでに短めなら3ヶ月ほど、長いと10ヶ月に渡る治療期間を要します。
全てのインプラント患者にとって、治療費が気になるのは当然です。
現実には、治療費といっても歯科医院や歯科医によって幅があるのが普通です。
インプラント治療はほとんど自由診療のため、費用を自由に決められるのが建前です。それでも、どの歯科医院でも同じような材料や薬剤を使っているので、相場がだいたい決まってきます。
欠損歯一本に対するインプラントなら、30万円から50万円程度が一般的です。
これはインプラント治療が最適、とされるのは周辺の歯に関係なく治療したいといったケースです。ブリッジ治療で考えると、両隣の歯を削って支えを作らなければなりませんが、インプラント治療の場合、人工歯根を骨に直接埋め込むので該当する歯の分だけ治療することになります。両隣の歯を削って支えにするのはもったいないと考えている患者さんには、歯科医からインプラント治療をすすめられるはずです。
現在、インプラントの人工歯根はチタンが多くなっています。
骨との親和性が高くアレルギーの発症例も少なくなっています。
インプラント治療が可能かどうか、頭部CTの他、レントゲン、口腔内検査など検査を綿密に行い、その上で治療方針を決めて本格的な治療がスタートするので安心して治療を受けることができます。
それから、治療後には、メンテナンスを定期的に行っていくことで、より快適に、長期間使えるようになるのです。